防災士資格試験に役立つ基礎知識【気象災害・風水害】

防災士資格合格率UP過去問37題!と併用して試験対策に役立ててください。

1 平常時と洪水時の水量の比較

海外の河川では平常時の流量と洪水時の両量を比較して、英国のテムズ川で8倍、ドイツなどを流れるドナウ川で4倍、米国のミシシッピ川で3倍となっているが、日本の関東平野を流れる利根川で100倍、中部地方の木曽川では60倍、近畿地方の淀川では30倍と、日本の河川は総じて、平常時と洪水時で河川の状況は大きく変貌する。

このような地形的特性と、気象的特性とが相まって日本では洪水による災害が多発している。

日本では国土の10%の洪水氾濫区域(洪水時の河川水位より地盤の低い区域)に、総人口の約50%の人々が居住し全資産の約75%が集中しているなど洪水や高潮による災害により大きな被害を受けやすい状態に置かれている。

2 エルニーニョ現象とラニーニャ現象

異常気象の原因として、どちらも太平洋東部赤道域における海水温の変化であるが、海水温が高くなるものを『エルニーニョ現象』、低くなるものを『ラニーニャ現象』という。

3 ゲリラ豪雨(局地的大雨)

近年、夏場大都市圏では人間の活動による排熱(エアコン、自動車の排気ガス、ビルのコンクリートやアスファルト舗装が取り込んだ太陽からの熱など)で、周りの地域よりも3℃~4℃も気温が高くなり、そのため強い上昇気流が生まれ、積乱雲を発達させやすくすることで発生するのではないかと考えられている。

4 外水氾濫

川の水が堤防を越えたり、堤防が決壊して大量の水がまちに流れ込む災害。

5 内水氾濫

大量の降雨などにより水量が下水道や排水施設の処理能力を上回ったために、市街地にあふれ出して起こる現象。

6 台風

太平洋赤道付近の温かい海水が蒸発して、発達した積乱雲の集合体となり、やがて回転運動をはじめ強い雨や風を伴って移動してくる熱帯低気圧である。

北半球で吹く風は地球の自転の影響で進路が右向きに曲がる性質を持っているため、通常東風が吹いている低緯度では西に流されながら次第に北上し、上空で強い西風(偏西風)が吹いている中・高緯度に来ると速い速度で北東に進む。

台風は巨大な空気の渦巻きで、地表付近では反時計回りの風が中心へ吹き込んで上昇しています。その高さは季節や勢力によって異なるものの、10~15kmと言われています。

tenki.jp:台風のしくみより引用

台風は自ら移動することはできず、太平洋高気圧の縁辺(えんぺん)を吹く風(縁辺流)に乗って移動することが知られている。

7 台風情報

太平洋赤道付近で発生した『熱帯低気圧』の中心付近の風速が17.2m/s以上になると『台風』に名称が変わる。

台風の現在地は『×』印で表され、九州・四国・北海道の海岸線を横切った時をもって台風の上陸とする。

8 予報円

台風が今後進むであろうと思われる進路を、台風の中心が70%の確率で存在する可能性を持つ範囲を白い実線と点線で囲んで表示したものである。

9 暴風警戒域

風速25m/s以上の暴風が予想される範囲を赤い実線で表示したものである。

10 高潮

熱帯低気圧や台風によって発生する確率が高い。また、大潮の満潮のタイミングが重なると発生確率がさらに高まる。

台風の中心付近は周辺より気圧が低く、1hPa下がると海面は1cm上昇する『吸い上げ効果』と、反時計回りに風を巻き込んでいることから東側では南風が強く、海水を陸地側に運ぶ『吹き寄せ効果』の2つの要因から海面の水位が護岸より高くなることなどにより高潮が発生する。

11 タイムラインとは

発災前に関係機関がそれぞれ取るべき行動を時系列で示す事前防災行動計画のことである。

特に水災害に対して効果があるといわれており、大規模水災害の発生予定時刻から逆算し、自治体等関係者が事前に取るべき防災行動を「いつ」「誰が」「何をするか」に着目して時系列に整理したものである。

12 雪害

警報が出るほどの大雪を『豪雪』という。

13 雪崩(なだれ)とは

雪崩とは、山腹の斜面に積もった雪が、重力の作用によって下の方に滑り落ちる現象である。

極寒期に起こる『表層雪崩』(時速100~200km)と春先に起こる『全層雪崩』(時速40~80km)がある。

筆者が防災士資格試験受験時に参考にさせてもらったサイト


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