防災士資格試験に役立つ基礎知識【地震・津波による災害】

防災士資格合格率UP過去問37題!と併用して試験対策に役立ててください。

1 .海溝型の地震とは

地球の表面は10数枚の『プレート』と呼ばれる岩盤に覆われていて、日本列島周辺はそのうちの4枚のプレートがひしめき合っている場所に位置している。

①太平洋プレート

②フィリピン海プレート

③北米プレート/日本列島を乗せている

④ユーラシアプレート

このプレートはその境界辺りで1年間に数cm~10cmの速さで『海のプレート』が『陸のプレート』を巻き込みながら下に沈み込んでおり、巻き込まれた際に発生するひずみが限界を迎えると大きく反発して断層運動が起こり、大地震が発生する。

マグニチュードはM8~M9クラスの巨大地震が予測されている。

発生間隔は数十年~数百年程度である。

2 .内陸直下の地震とは

過去に断層運動を繰り返した断層(活断層)であり、一般的に震源が浅いため局所的ではあるが甚大な災害を引き起こす。

日本の中でも特に関東は日常的に地震活動が活発な地域であり、あらゆるプレートの内部と境界で日常的に地震が多発する。

マグニチュードは最大でM7クラスと予測されている。

発生間隔は千年~1万年と長い。

3 .地震とは

地下深い所で岩石が破壊される現象(断層運動)で、破壊のショックが地中を波となって地表に伝わったものである。

4 .震度とは

福井地震の翌年1949年より震度階級7が設定された。

台湾でも日本と同様の震度階が用いられているが、他の多くの国では『改正メルカリ震度12段階』が使用されている。

5 .マグニチュード(Magnitude)とは

地震の規模を表す尺度であり、断層破壊領域の大きさの程度・地震エネルギーを表す尺度である。

マグニチュードと地震エネルギーは『logE(エルグ/エネルギーの単位)=11.8+1.5Mw』という関係式が成り立ち、

この式によると、マグニチュードが1.0上がるとエネルギーは約30倍になる。

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6 .通電火災とは

阪神・淡路大震災で注目された、地震より数日経過後に地震時に使用していたストーブなどの電熱器具に通電したことが原因となって出火した火災。

7 .地盤の液状化とは

普段は砂粒同士が互いの支持力でつなぎあっているが、粒径が良く揃っている砂の地盤で砂粒の間を水が埋めているような地盤(地下水が浅く、『砂+水』という条件が揃っているような地盤)で起こり易い。

強い地震の揺れにより間隙水圧が上がって砂粒同士を結んでいた支持力が外れてしまい、ばらばらになって水の中に浮いたような状態になる。

砂は水より重いため下に向かって沈んで行こうとする為、その結果砂まじりの水を地表に吹き出す噴砂現象が生じたり土管やマンホールが浮き上がったりする現象で、特に埋立地で発生し易い。

8 .長周期地震動とは

ゆったりとした周期の長い揺れであり、特に高層ビルなどのエレベーターで長周期の揺れに共振してワイヤが切れるなどの思いがけない被害が出ることが予想されている。

9 .地震性津波とは

断層運動によって海底が隆起・沈降し、その海底変動が、海面を上下することにより発生する津波である。

10 .津波地震とは

陸上での震度はせいぜい震度2~3程度でも、地震から30分あまり経って38mにもおよぶ大津波が沿岸を襲い大災害をもたらした(1896年明治三陸地震津波)地震である。

11 .遠地津波とは

日本の沿岸から600km以上離れた海域で発生した地震によって発生した津波であり、大陸棚の多重反射を繰り返す波や、太平洋の海底に連なる山々(海山)からの散乱波等により、思わぬ場所・時間に到達する恐れのある大きな津波である。

12 .津波の伝播特性と波高について

津波の伝播速度は水深2,000mの海では時速約500km、水深4,000mでは時速約700kmと水深が深い程伝播速度は速くなる。

津波の波長(一山一谷)は非常に長く、先端が浅海に到達してスピードを落としても、後続の波は依然として深海にあって速度が速く、後続の波が前の波に追いつくと波の水量は変わらないため波長が短くなることで波高が増してしまう。

13 .津波の特性とは

震源域からの津波はたとえ一つの波であっても、沿岸部での入射・反射・湾内振動などがあるので、何波もの津波が発生し複数回襲来する。

時間間隔は数十分~1時間を超えることもあり、第一波より第二波、第三波の方が波高が高くなるケースが多い。

14 .緊急地震速報とは

全国約1,000箇所に設置された地震計が検知したP波データから震源の位置と規模を即座に割り出し、これをもとに各地の震度を予測して予報や警報を発表する防災情報である。

15 .南海トラフ地震とは

駿河湾から足摺岬(あしずりみさき)の沖合に広がる南海トラフで、過去に100〜200年周期でM8.0〜8.7規模で繰り返し起きている巨大地震である。

地震の発生パターンは毎回大きく異なり、数年の時間差で順々に発生した場合もあれば、東海・東南海・南海の震源域で同時に発生した場合もある。

14 .首都直下地震とは

関東の陸地を支える北米プレートの下に南側からフリピン海プレートが沈み込み、さらにその下に東側から太平洋プレートが沈み込んで、3枚のプレートが積み重なっている状態のため、日本の中でも関東は地震活動が活発な地域である。この積み重なったプレートの内部と境界で日常的に地震が多発し、M7〜8級の大地震も起きている。

関東地震と呼ばれるフィリピン海プレートの上面で起きる地震の規模はM8級、発生間隔は200〜400年である

フィリピン海プレートの境界やプレート内部、活断層で起きる可能性のある地震は、M7級の地震が100年あたり2〜3回の割合で起きている為、30年以内に70%程度の確率で発生すると心配されている。

出典:防災士教本(2023年度版)

編集発行:認定特定非営利活動法人 日本防災士機構

筆者が防災士資格試験受験時に参考にさせてもらったサイト


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