防災士資格試験に役立つ基礎知識【災害医療とこころのケア】

防災士資格合格率UP過去問37題!と併用して試験対策に役立ててください。

1 災害時の医療

応急対応として災害時の救急医療活動はきわめて重要である。

しかも時間経過とともに必要とされる医療活動は変化する。阪神・淡路大震災における神戸大学医学部附属病院での救急患者の内訳では、初日は圧倒的に外傷が多いが、2日目には外傷と疾病が半々となり、5日目以降はほとんどが疾病患者となった。

長期化する避難生活では伝染病や食中毒に加え、避難所でトイレに行かないで済むように水分摂取を減らしたことにより血栓が生じ、脳梗塞や心筋梗塞を起こす危険などに注意を払う必要がある。

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2 エコノミークラス症候群

乗用車の車内など狭い場所で同じ姿勢を続けていると、太腿から膝の奥にある静脈に血の塊(深部静脈血栓)が生じ、その一部が血流に乗って肺の血管を閉塞し、呼吸不全をきたす病態。

航空機に長時間乗っている乗客が発症し、特にエコノミークラスでの発症が多いことから命名された。

3 トリアージ

「負傷度による負傷者の選別」を意味する。

災害現場の限られた医療資源の中で、多数発生した負傷者を一人でも多く救命するために、軽症者はもちろん死者や救命不可能な超重症者に治療の優先権を与えないことが重要となる。

トリアージタッグと呼ばれる丈夫なモギリ式の水に耐性のあるモギリ式の紙製で、治療の優先度を赤/Ⅰ・黄/Ⅱ・緑/Ⅲ・黒/0の4段階で手首または足首に直接付ける。

このときCWAPと呼ばれる子ども(Children)、女性(Women)、高齢者(Aged people)、障害者(Patients)の負傷緊急度と重症度を勘案して選別すべきである。

4 クラッシュシンドローム

四肢が長時間圧迫されると4〜6時間で不可逆性の壊死に至る。筋肉が壊死に至ると筋肉細胞が破壊され大量のカリウムが出される。この状態で圧迫が解除されると、最悪の場合カリウムを大量に含んだ血液が全身を巡り心臓の拍動が止まってしまう。

柱や梁の下敷きになり四肢の圧迫を受けて数時間経過した人については、圧迫を除く前に止血帯や駆血帯(採血時に血液を採りやすいように腕を縛るもの)で圧迫し、未処置の状態で安易に四肢の圧迫を除いてはならない。

出典:防災士教本(2023年度版)

編集発行:認定特定非営利活動法人 日本防災士機構

筆者が防災士資格試験受験時に参考にさせてもらったサイト


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